これまでの「モノづくり支援」実績

ZENSHOが過去に取り組んできたモノづくり支援の裏側をお伝えします。

熱交換素子の部材(プラダン)

プラスチックダンボール(プラダン)は、保管容器や養生シートなどの素材として幅広く利用されていますが、今回のご依頼は一般的な用途ではない製品部材としての活用でした。

当社では、特殊な製品の開発も度々行っており、様々な技術や知見、協力工場の繋がりがあります。既存の素材を応用した特殊な製品でも、お客様と伴走して作り上げていくことが可能です。

現行製品の品質とコストを維持した代替品が求められた、熱交換素子の部材

住宅の空調システムに使用している熱交換素子の部材を、台湾の工場から仕入れていた大手住宅メーカーが、円安の影響による値上げを懸念し、別の工場での生産を模索していました。そこで、中国の現地工場に多数のネットワークを持っていた当社にお声掛けいただきました。

この部材は約30cm²のプラダンを、決められた形でくり抜く加工が必要でしたが、複雑な形状ではなく当初それほど難しい加工だとは考えていませんでした。ところが、中国の協力企業8社からプラダンのサンプルを取り寄せ、型抜きテストを実施したところ、すべて失敗。実は、熱交換素子の部材として使うためには、プラダンの中空部に空気が通らなければなりませんが、型抜きを行った際に中空部が潰れてしまっていたのです。また、一般的なプラダンの重さは500g/1㎡ほどですが、この製品は何枚も重ねて使用するため1枚の重さを300g/1㎡にする必要がありました。そこで、素材の厚さや構造から再検討することから取り組みをはじめました。

最適な仕様にたどり着くまで試行錯誤は1年に及んだ

当初、素材が柔らかい方が型抜きしやすいと考えましたが、実際に試験をしてみると刃に当たった際に断面が伸びてしまい、中空部が塞がれてしまいました。逆に硬すぎると衝撃で割れてしまうといった具合で、表裏のライナーの厚さとリブ(空中層を支える柱)の間隔を変えながら試験を繰り返しました。同時に金型についても改善の余地を探りました。刃のグレードや打ち抜く際のコツなど、専門の加工業者に持ち込んで相談し、あらゆる角度の刃で試験を行いました。

型抜き試験はお客様の方でも実施されたので、500枚ほどプラダンシートを生産しては日本に送りました。試験の評価が戻ってくると、担当者がその度に中国に出向いて現場で改善策を協議し、仕様を変えたプラダンシートを再度500枚送るという繰り返しです。もう、何度試験行ったか覚えていないほどですが、ようやくお客様から品質のOKをいただいたのは、試作を初めて1年ほど経った頃でした。大変ではありましたが、お客様にご満足いただけるものを提供できたことには満足しています。

生産管理体制も現行製品と変わらない高い基準を順守できることを示す

製品の品質がクリアしたとで、生産管理体制を整えることにも注力しました。お客様と取り交わした納品仕様書にのっとって、QC工程表や作業手順書を当社で作成。すべて中国語翻訳し、現地工場でも徹底管理するよう周知しました。

この製品は打ち抜き加工も納品前の検査も、1枚1枚手作業で行う工程が多くあります。そのため、製造担当者の自己判断による品質低下が起きないよう、量産が始まってからの半年間は、出荷の度に現地に行き、当社の現地スタッフと共に検査に立ち会いました。

いくらコストを抑えて高い品質の製品を供給できても、これまでと体制が異なることでお客様が不便を強いられるようでは、後々、当社への信頼感が揺らぐ一因になります。だからこそ、製品の開発と同様に生産管理体制にも気を配りました。

私たちは貿易会社ですが、ただ製品を日本に輸出するのではなく、開発段階から深く関わりお客様と共に作り上げてこそ、当社の価値を感じていただけると考えています。今回のような特殊な加工では、その力がより一層発揮できたと自負しています。

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