現行製品の品質とコストを維持した代替品が求められた、熱交換素子の部材
住宅の空調システムに使用している熱交換素子の部材を、台湾の工場から仕入れていた大手住宅メーカーが、円安の影響による値上げを懸念し、別の工場での生産を模索していました。そこで、中国の現地工場に多数のネットワークを持っていた当社にお声掛けいただきました。
この部材は約30cm²のプラダンを、決められた形でくり抜く加工が必要でしたが、複雑な形状ではなく当初それほど難しい加工だとは考えていませんでした。ところが、中国の協力企業8社からプラダンのサンプルを取り寄せ、型抜きテストを実施したところ、すべて失敗。実は、熱交換素子の部材として使うためには、プラダンの中空部に空気が通らなければなりませんが、型抜きを行った際に中空部が潰れてしまっていたのです。また、一般的なプラダンの重さは500g/1㎡ほどですが、この製品は何枚も重ねて使用するため1枚の重さを300g/1㎡にする必要がありました。そこで、素材の厚さや構造から再検討することから取り組みをはじめました。